岡山科学技術専門学校 建築工学科: RMJM_キャピタルゲート


2010/06/10

RMJM_キャピタルゲート




本日のケンプラッツによると英国の設計事務所RMJMが設計し、只今アブダビに建設中の超高層ビル「キャピタルゲート」が「傾き世界一」としてギネス世界記録に認定されたと発表したそうである。

この建物、写真からも見て取れるようにかなり傾斜している。

以下ケンプラッツより
『 キャピタルゲートは35階建てで、延べ面積は5万3100m2。2〜16階はオフィス、17階は機械室、18〜35階はハイアットホテルがそれぞれ入る。

 建物の内部には、高さ60mのアトリウムを配置。19階には屋外プールのほか、空中に張り出したティーラウンジがあり、地上約80mからの眺望が楽しめる。

 英国の設計事務所であるRMJM社が設計した。12階までは各層を垂直に積み上げた一方、13階以上は各層を0.3〜1.4mずつ水平方向にずらした構造になっている。

 エレベーターシャフトなどを配置したコア部は、ビルの内部を上下に真っすぐ貫く。施工する際、上層階のスラブをずらして積み上げると、各スラブの中心からずれた位置にあるコア部も偏荷重によってずれてしまう恐れがあった。

 そこで、施工の各段階に応じた偏荷重の大きさを事前に予測。各層の施工時はコア部をわざとゆがませてつくり、完成時に真っすぐになるように設計した。

 各層の荷重は建物の外殻が主に受け持ち、建物内部の柱や梁はできるだけ抑えた。

 ファサードにはLow-Eガラスを採用した。さらに、南側の外壁には「スプラッシュ」と名付けたステンレス製の部材を配置。直射日光を防ぎ、熱負荷を 30%抑える。

 傾きとねじりのある外観によって、キャピタルゲートは様々な見え方をする。「開発が進むアブダビの象徴になるだろう」とADNEC社はみている。 』

ちなみにこの建物の傾斜は18度。ピサの斜塔の傾きが4〜5度なので、この建物がどれだけ傾いているか分かります。このように、これからも建設技術の発展によりデザインもかなりの自由度が得られるようになってきます。みなさんも新たな技術、テクノロジーには敏感にアンテナを張っておきましょうね。

写真:ADNEC