岡山科学技術専門学校 建築工学科: “樹上の部族”


2011/02/08

“樹上の部族”



今日はパプア南東の秘境、コロワイ。そこに暮らす“樹上の部族”を紹介します。
この樹上の部族コロワイ族、御存知の方もいるかも知れませんが、世界に数えるほどしかない人肉食の首狩り族です。
パプアは、インドネシアの島々の中で一番東側に位置するニューギニア島の西半分。ちなみに東半分がパプアニューギニア。
彼らの生きている世界は、生と死が常に隣り合わせと言う野生の狩猟採集の世界。
気候的には熱帯気候でモンスーンの影響下にあり、基本的に年中高温多雨。主に5月から11月が乾季で、12月から3月が雨季と言った具合で、その熱帯という気候条件ゆえに畑作にも向かず、食料を計画的に栽培したりといった文化も育たなかったのだろう。

もちろん狩猟採取の生活ともなれば食にありつける日もあれば、そうでない日もある。食にありつけない日が続けば、人をという事にもなるわけだ。
ただ、飢餓になると人は人肉を食べるという話は、表沙汰にはしないだけで、今でこそ聞かないが昔は珍しい事でもなかったようである。日本でも秀吉(厳密には後の秀吉、藤吉郎)が城攻めした鳥取城内で人肉が食べられた記録が残っているし、ヨーロッパでも飢えた兵士らが戦いで殺された市民の死体を食べたという話が年代記作者らにより記録されている。

余談になるが、お隣の大国では、人肉食は、食文化の一つであり、かつて人肉料理のメニューさえあったという記録が残っており、当時の食肉用の人間は「両脚羊」と呼ばれていたというのだから言葉を失う。
1984年、台湾近郊での炭鉱事故で生き残るために人肉を食べ、ただ一人生き残った炭坑夫が「やはり死んだ人間の肉は旨くない。旨いのは生きた人間の肉だ」と発言して大きな話題を呼んだニュースもあった程だから、今でも表には出ない裏メニューとして息づいている可能性もありそうで、むむむむむ。

話はもとい、パプアの熱帯環境下ではちょっとした切り傷なんかも感染症等引き起こし、場合によっては死に至る事も珍しくなく、どうも薬や医療などとはほど遠い生活のようである。森の陸上には害虫もいれば、凶暴な獣もいる、縄張りを争う敵もいるだろう。そういった外敵から身を守るために彼らは「樹上に住む」という選択にいたったというのだから、その発案者はかなりエキセントリックなアイデアの持ち主で、それはそれは罠の仕掛け方も独特で、狩りの腕前も良かったのだろう。
家についてだが、その高さは大抵が6mから25m程に位置するものが多く、かつて高いものでは40〜50mもある木の上に建てられたものもあったようだ。

やはりそこまで高いとそれは「ジャングル勇者」を示す証の他、何ものでもなく、機能性を超越した見栄に他ならないという。(むむむ。。。微笑ましい。。。)毎日の狩猟への通勤時間もかかることになるしその家族からすればたまったものでないと思ってしまうのは私だけだろうか?

ちなみにこのコロワイ族の存在が発見されたのは30年程前だそう。
それにしてもこの世界には、まだ発見されていない民族や文化が存在するのか?
するとしたらどうか真っ先に本校までお知らせください。