岡山科学技術専門学校 建築工学科: 吉村順三先生、住宅の教え


2011/01/31

吉村順三先生、住宅の教え



















(写真:吉村順三ギャラリーより)

吉村順三ギャラリーから送って頂いているメールに設計者、そして建築を学ぶ学生にとって非常に大切なことが書かれていましたので紹介します。

「浜田山の家」1965    文章:永橋爲成

○「建築の基本は住宅」
吉村先生は、「住宅が基本だと思います。どんな小さな住宅でも本当にうまくできたら、とても大きな仕事でもできると思います」と語る建築家である。

○「君が住むつもりで設計してごらん」
吉村先生は、「君が住むつもりで設計してごらん」と、まずは数少ない示唆をされ、「新手を考えてね」と付け加えられた。吉村設計事務所には、それまでに作った膨大な住宅事例がある。それらの引き写しは許されない。

○「君の意見は」
先生との打ち合わせはいつも、「君の意見は」と、まず聞く。大学でたての若者も、一人前の扱いである。「よおっし!」と意気込める。しかし、結局は先生の手のひらのうちにあるのだが、その辺のバックアップは実に凄いなと思う。

○先生は、「住宅の設計は内部から進めていき、最後にエレベーションのスタディにとりかかることにしている。エレベーションは本来、近隣との関係に責任をもち、節度のある態度でとりくむべきものである。エレベーションに限らず、一般に物の形は固定した論理でもって、やみくもにつくられるべきものではない。人間の自由さをいいものとして形に生かしてゆく努力・責任ある自由さ・を大切にしたい」語っている。